24か月連続マイナスとなった 実質賃金!?…輸入物価上昇の足かせ
こんにちは。
日々変化する経済の動向。
資産の運用や管理などにも少しでも
役立ててほしいと思い、お金のミニ
コラムをお届けします。
目次
24か月連続マイナスとなった
実質賃金!?
…輸入物価上昇の足かせ
9日に公表された毎月勤労統計では
3月の現金給与総額は毎年同月比+
0.6%と賃上げ基調が続いています。
春闘での高い賃金上昇率は5月あるいは
6月分の結果に反映されると見られます
が、今後の見通しは?
【実質賃金はマイナス…】
賃金上昇の流れはあるものの、それ
でも消費者物価上昇率(インフレ率)
を引いた実質賃金上昇率は前年同月
比−2.5%となり24か月連続での低下
となりました。
今後は電気・ガス補助金やガソリン
補助金の終了が予定しており、更に
足元で円安も進んでいることから、
先行きの物価の上振れリスクは高ま
ります。
春闘により賃金上昇率は5月・6月頃
には前年同月比+3.0%程度になると
予想されますが、それでも上記要因
による物価上昇のスピードには届か
ず、実質賃金のマイナスは少なくとも
年末ごろまでは続く見通しです。
【日本経済の潜在力を高める…】
日銀は輸入物価上昇を起点とする物
価上昇がいずれ賃金に転嫁され、そ
れがサービス価格などにも転嫁して
いく事で賃金上昇を伴う持続的な物
価上昇が実現するとしています。
しかし輸入物価の上昇や賃金上昇の
一因である労働力不足はともに日本
経済にとって強い逆風とも言えます。
この2つが組み合わさることで、「
災い転じて福となる」シナリオは多
少都合が良すぎるとも感じます。
賃金上昇を伴う形での持続的な2%物
価上昇には日本経済の潜在力と高める
事が重要であり、その点からも制作動
向には注視が必要です。
先週の株式&為替相場(前週末比)
日経平均:38,229円(-7円)
ドル円:155.72円
NYダウ:39,512.84㌦(+837㌦)
先週の日経平均株価
先週は38,000円台を固める展開とな
りました。
円安や企業決算が買い支えになる半面
上値の重さも目立ってきています。
米FRB(日本で言う日銀)の金曜政策
に対する見通しも二点三点と揺れる中
で目先は方向感が出にくい(上げ下げ
を繰り返す)局面が続きそうです。
⇒外国為替市場では再びじりじりと円
安・ドル高が進んでいます。
日本の通貨当局は4月29日〜5月1日に
約8兆規模の円買い介入をしたと見ら
れますが、このままスピード感を持っ
て円安が進むようだと介入への警戒感
は高まりそうです。
1ドル=160円が目安となりそうです。
【資金の流れ】
ハイテク株⇒好決算株
円⇒米ドル
3つの追い風で最高益更新
【解説】
日本企業の2024年3月期の決算発表
が佳境を迎えています。
全体の7割程度の企業では純利益が
会社計画から上振れており悪くない
内容です。
純利益合計は前期比1.7%増、業績は
3年連続で最高益更新となりそうです。
【ポイント】
最高益更新の原動力となったのは3つ
の追い風です。
1つ目
円安による輸出企業への恩恵
2つ目
過去最高を記録したインバウンド
(訪日外国人)の増加
3つ目
値上げによりコストの価格転嫁が
進んだことです。
【今後の影響】
ただし今期以降は一転し減益見込みの
企業が多くなっています。
過去2年間の企業業績をけん引した大
幅な円安は見込めずもし円高となれば
逆風環境になります。
そうした意味でも真の実力が試される
局面となりそうです。
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本資料は資産運用の参考となる知識構築を目的と
しており、投資勧誘を目的として作成したもの
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