歴史的賃上げの背景とは!?…就労者全体の約3割は恩恵薄いとも

お金のコラム

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役立ててほしいと思い、お金のミニ
コラムをお届けします。

歴史的賃上げの背景とは!?

…就労者全体の約3割は恩恵薄いとも

大手企業の賃上げ率は予想外に大きく
伸び、それが日銀のマイナス金利解除
の決め手となりました。

今後は中小企業も同様に高い賃上げ率
の実現が期待されますが、その背景を
まとめてみました。

【歴史的賃上げの背景…】

今年の春闘賃上げ率は中間集計時点で
5.24%(昨年は3.58%)の高水準
なっています。

集計が進めば全体の水準は若干下がり
ますが、最終集計でも5%を上回れば
1991年(5.66%)以来33年ぶりの賃上げ
となります。

高い賃上げ率が可能となった背景の
ひとつは大企業や中小企業の財務余力
拡大が挙げられます。

インフレ下でのコストアップ以上に
販売価格を引き上げたことで、大企業
における23年の粗利の伸び率は前年比
7.3%、人件費は前年比2.5%の伸びな
ので、粗利の中から大きく人件費を伸
ばすことが可能となりました。

【約3割は賃上げの恩恵を受けられない…】

一方で日本の就業者約6800万人のうち
上記(大企業・中小企業)に含まれない
零細企業や個人事業主は1800万人おり、

働く人全体の約3割弱は大企業や中小
企業ほど賃上げの恩恵を受けられない
とも言えます。

ただ賃金格差の是正を優先しすぎると
余力が十分にある企業が賃上げを抑制
し、結果的に平均的な賃上げ率を下げ
ることになります。

賃上げの裾野を広げるためにも、まず
は無理に足並み揃えるよりも大企業を
中心に出来るところから積極的に賃上
げを行うことは重要であり、それが今
回の結果に繋がったと言えます。

先週の株式&為替相場(前週末比)

日経平均:38,992円(-1,377円)

ドル円:151.61円

NY株式:38,904.04㌦(-903㌦)

先週の日経平均株価

先週の日経平均株価は大幅下落
3週間ぶりに39,000円を割り込み
ました。

年度初めの機関投資家による
益出し売りに押されたほか、
台湾の地震や中東情勢の悪化と
いった地政学リスクの高まり
嫌気されました。

米国株式市場でも利下げ期待が
後退したことで下落基調となって
います。

⇒イラン大使館がイスラエルに
よるとみられる攻撃を受けた事で
中東情勢が緊迫しています。

中東情勢悪化は原油価格の上昇に
繋がり、特に中東依存率が9割を
超える日本には打撃となり
ます。

また原油高により米インフレ率が
再上昇すれば、米利下げ期待後退
にも繋がります。

【資金の流れ】
内需株 ⇒ 輸出関連株
円 ⇒ 米ドル

予想以上に強い米雇用統計、
利下げ期待は後退

 

【解説】

米労働省が4月5日に発表した3月
雇用統計で非農業部門雇用者数は
前月から30.3万人増加(事前予想
20万人)しました。

また失業率は3.8%(2月3.9%)と
低下しており、米国経済が想定以上
底堅さを見せています。

【ポイント】

雇用統計を受けて6月の米FOMC
(金融政策を決める会議)での
利下げ予想の確率は5割程度まで
低下しました。

年内3回程度の利下げ期待は維持
されているもののこの先の経済
指標次第では年内見送りの可能性
出てきます。

【今後の影響】

今後強めの経済指標が出れば更に
米国の利下げ期待が後退します。

その場合は米長金利の上昇と円安
ドル高が予想されるため、日本銀行
の追加利上げ時期が前倒し(円安の
抑制も兼ねて)になることも考えら
れます。

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本資料は資産運用の参考となる知識構築を目的と
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