住宅ローン変動金利のデメリット
住宅ローンを選択する際に、見た目の金利が一番低いという理由で選ばれるタイプが変動金利型と呼ばれるタイプです。
このタイプの特徴をしっかりと理解せずに選択している方がちらほらいますので
今回はこの変動金利型の特徴(どちらかというと変動金利のデメリット)について解説します。
変動金利型という名前から「金利の条件が変動する住宅ローン」というのは想像がつくと思いますが、
変動金利型の重要な特徴は二つあります。
ひとつ目は「金利が半年ごとに見直される」
ふたつ目は「月々の返済額は5年間固定」
です。
ちょっとややこしいかもしれないので具体例をあげて解説します。
【ケーススタディ】
住宅ローン借入額:3000万円
金利:0.5%(変動金利)
返済方法:元利均等返済 ボーナス払いなし
返済期間:35年
この条件で住宅ローンをスタートすると毎月の返済額は77,876円です。
この毎月の77,876円という負担額は5年間固定で変わりません。
5年間の間、金利が上がっても下がっても、毎月の負担額は固定されています。
ただ、
一方で金利は半年ごとに見直しがかかります。
上がるか下がるかは分かりません。
でも毎月の返済額77,876円が変わらないということは何が起きるかというと…。
77,876円の返済額には内訳があり、
借金の返済に充てられる金額(元本充当額)と、利息の支払いに充てられる金額があります。
今回のケースで、第一回目の77,876円返済額の内訳を計算してみる(概算)と、こうなります。
3000万円 × 0.5% ÷ 12か月 = 12,500円
12,500円が一か月あたりの支払い利息ということです。
とうことは、いくら借金返済(元本充当額)に充てられるかというと、
77,876円 - 12,500円 = 65,376円
65,376円借金を返すことになります。
では…。
例えばちょうど半年後、極端ですが金利が3%になったとするとどうなるでしょうか?
ルールを確認すると、毎月の返済額77,876円は5年間変わりませんので、そのままです。
金利がこんなに急に上がっても77,876円です。
一方、ちょうど半年後のローン残高は約2960万円。
ということはいくらの利息を払うことになるかというと
2960万円 × 3% ÷ 12か月 = 74,000円
74,000円の利息を払う必要があります。
となると
いくら借金の返済に充てられるかというと
77,876円 - 74,000円 = 3,876円
なんと 3,876円しか借金が減りません。
これが変動金利の恐ろしいところです。
よく
「金利は半年ごとに変わるけど、毎月の返済額は5年間変わらないから安心です」
と担当者から説明を受けたと、聞きますがとんでもない。
むしろそこが怖いところです。
変動金利型を選択する人はそのリスクをしっかりと認識したうえで、
そして金利が上昇した場合の対処方法まで準備したうえで、計画を進めて欲しいものです。