知っておきたい!子育て支援税制
おうちの買い方相談室にマイホーム
購入のご相談にご来店されるお客様
の大部分は子育て世代の方々。
子供(家族)のためにマイホームを!と
お考えになる方が多いのかなと思い
ます。
今回はそんな子育て世代の方が知って
おくべき、子育て支援税制についてお
話していきます。
押さえておきたい子育て支援税制の全容
2023年12月14日、政府与党がまとめた
「令和6年度税制改正大綱」が発表され
ました。
その冒頭「令和6年度税制改正の基本
的な考え方」の中では、次のように
述べられています。
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「こどもを生み育てることを経済的
理由であきらめない社会を実現する
ため、政府として次元の異なる少子
化対策を進める中で、税制において
も、子育て世代を対象とした上乗せ
を行うなど、子育て支援措置を講ずる。
高校生年代に支給される児童手当と
扶養控除を合わせ全ての子育て世帯
に対する実質的な支援を拡充する。」
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その後12月22日に閣議決定された
「税制改正の概要」を基に、子育て
支援税制の内容について、確認して
いきます。
質のよい住宅の取得を後押し
【住宅ローン控除】
子育て世帯および若者世帯に限定
して新たな優遇策が提示されました。
対象となるのは
①19歳未満の子どもがいる
②夫婦のどちらかが40歳未満の世帯
です。
①または ②に該当する人を
「子育て特例対象個人」といいます。
新築棟の認定住宅‧ZEH水準省エネ住宅
省エネ基準適合住宅の取得が要件です。
住宅ローン控除は、今年から控除の
限度額が引き下げられましたが、子
育て特例対象個人には、今年中の入
居を要件に、昨年と同様の控除が認
められました。
「子育て特例対象個人」は、2024年
入居分を対象に控除対象となるローン
残高の上限が現行のままとなります。
・認定住宅が 5,000万円
・ZEH水準省エネ住宅が4,500万円
・省エネ基準適合住宅が4,000万円
なお、これは子育て特例対象個人に
限りませんが、対象となる床面積の
特例が2024年末まで1年延長されました。
床面積の要件は、本来は50㎡以上で
すが、年間所得が1,000万円以下で、
かつ新築住宅なら、40㎡ 以上で適用
されます。
この特例は、年間所得が1,000万円以
下であれば新築で床面積が40㎡以上
から控除の対象になっていました。
【住宅リフォーム控除】
子育て世帯を対象にした新たな特例
が設けられました。
子どもの転落防止用の手すりの取り
付けなど、子育て世帯の安全および
住環境改善につながる改修工事が対
象で、
住宅改修工事を新たに対象に加え、
借入金でも自己資金でも、標準工事
費の10%を所得税の額から控除する
ことができるようになりました。
工事の限度額は250万円、所得税の
控除額は最大25万円となります。
この措置は今のところ2024年の1年
間限定の予定です。
ただし、2024年4月1日から12月31日
までの間に入居する、など条件がある
ため注意が必要です。
【住宅取得等資金の贈与税非課税制度】
2026年末まで3年間延長されました。
贈与を受けた年の1月1日において18歳
以上の人が両親または祖父母から住宅
取得資金の贈与を受けた場合が対象です。
物価高対策は
“定額減税+追加給付”
【定額減税】
今回の施策の目玉と言えるでしょうか。
物価高を受けた家計支援策の一環で、
1人当たり所得税3万円、住民税1万円
を減税します。
納税者本人が減税の対象ですが、配偶
者や扶養親族(その年の合計所得金額
が48万円以下でかつ同一生計である
者)についても世帯の人数分だけ税金
が減額されるのが特徴で、
実質的に子育て世帯の家計は潤うことに
なるでしょう。
減税の恩恵を十分に受けられない層に
は、別途給付でカバーします。
例えば、所得税も住民税も納めているも
のの、1人当たりの納税額が4万円未満
(おおよそ年収270万~310万円程度)
だと、減税の恩恵を 十分に受けられません。
そこで減税額に達するまでの差額を
1万円単位で給付します。
例えば減税額が1万 5,000円ならその
差額の2万5,000円、切り上げて3万円
を給付します。
住民税(均等割)は納税しているもの
の所得税は非課税という年収255万~
270万円程度の世帯には、1 世帯あたり
10万円を給付します。
また、年収が255万円程度よりも少な
く、住民税も所得税も課税されていな
い非課税世帯にはすでに2023年に3万
円を支給していますが、さらに1世帯
当たり7万円を給付します。
加えて低所得の子育て世帯にはさらに
手厚い支援が必要とし、18歳以下の子
どもがいれば1人当たり5万円 を支給し
ます。
これらは準備が整い次第、順次給付さ
れていきます。
児童手当の拡充により
扶養控除は縮減する方向で検討中
【扶養控除】
児童手当の拡充および高校無償化に
伴う改変です。
まだ決定ではありません。
政府は中学生以下を対象としていた
児童手当を、2024年10月から高校生
以下(18歳まで)に拡大します。
加えて、高校の無償化もすでに進んで
います。これらを受けて、親の扶養控
除については縮小する方向で検討され
ています。
具体的には、16歳から18歳の子をもつ
親の扶養控除を38万円から25万円に、
また住民税の控除額を年間33万円から
12万円に引き下げる案が示されました。
所得税は2026年分から、住民税は2027
年度分から適用する方針ですが、今後、
議論して結論を得ることとしています。
今回の改定が実施された場合でも、所
得税の増加分が年12万円の児童手当を
上回ることはありません。
課税所得によりますが、所得の少ない
人ほど手取り額は増える仕組みになって
おり、課税所得の多い人でも多少の恩恵
は受けられる設計です。
【ひとり親控除】
拡充される見込みです。
現行では年間所得500万円までの
ひとり親が対象で、 所得税の課税
対象から35万円を差し引いていま
すが所得の制限を、1000万円まで
引き上げた上で、控除額も 38万円
に拡大する方針です。
生命保険料控除も
一部拡充に向けた動きも
【生命保険料控除】
このさき拡充が検討されます。
対象は23歳未満の子を扶養する人
で、控除できる一般生命保険料の額
を4万円から6万円に拡大するという
動きです。
ただし、介護医療保険料控除、個人
年金保険料控除と合算した生命保険
料控除の総額は現行の12万円のまま
変わらない予定です。
住民税については言及されていませ
んが、同様の措置がとられると思わ
れます。
以上のように、子育て世代を支援する
税制が用意されています(検討されています)
また、教育資金については各種奨学金の
活用なども検討材料と言えます。
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