住宅ローン減税の注意点
みなさんこんにちは!おうちの買い方相談室の岩本です。
住宅購入の得策として多くの方に利用されている「住宅ローン減税」。
本来この制度の現在(2021年)のルールは、原則、控除が受けられる期間が10年のところ、
一定のスケジュールどおりに住宅を購入する人は3年延長のルールが適用されています。
住宅ローン減税が13年に渡り受けられるということです。
まずは住宅ローン減税の主なルールを確認してみましょう。
①毎年、年末に残っている住宅ローン残高の1%を10年間に渡り所得税から控除してもらえる
②所得税で控除しきれない分は翌年の住民税からも一部(136,500円が限度)控除してもらえる
③夫婦など二人で住宅ローンを借りる場合は、二人ともその住宅ローン残高に応じて控除してもらえる
上記の3点が、住宅ローン減税で抑えておきたい主なルールです。
ひとつずつルールを確認します。
①毎年、年末に残っている住宅ローン残高の1%を10年間に渡り所得税から控除してもらえる
「毎年、年末に残っている住宅ローン残高の1%」ということは…
例えば、住宅ローンを3000万円借りて、毎年100万円ずつ返済したとします。
その場合、毎年、年末の時点で残っている住宅ローン残高は、
1年目 2900万円
2年目 2800万円
3年目 2700万円
4年目 2600万円
と、毎年残高が減っていきます。
この住宅ローン残高の1% ですから、実際に戻ってくる金額は、
1年目 2900万円×1%=29万円
2年目 2800万円×1%=28万円
3年目 2700万円×1%=27万円
4年目 2600万円×1%=26万円
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こんな感じです。
この金額を毎年、10年間に渡り、支払った所得税から返してもらえます。
結構な額ですよね!
ただし注意点があります。
最大の注意点は、「所得税から控除してもらえる」です。
ここ、とても大切です。
多くの人がここの認識が甘く、結果的に損している場合が多いように感じます。
例えば、年収500万円くらいのサラリーマンの人が、所得税をどれくらい支払っているかというと、10万円~13万円くらいです。
もちろん家族構成、扶養家族の有無などにより変動しますがだいたいこれくらいの金額です。
住宅ローン減税はまずこの所得税を返してあげますよという制度です。
何が言いたいのかと言うと、
“ローン残高の1%を限度に、所得税が戻ってくる。つまり支払った所得税以上にお金がもらえる訳ではない”
ということです。
このルールで実際に計算してみると、多くの方が、住宅ローン残高の1%の満額を回収しきれない、という結果になってしまいます。
そこで…
二つ目のルールの確認に移ります。
・所得税で控除しきれない分は翌年の住民税からも一部(136,500円が限度)控除してもらえる
これはありがたいですね。
例えば、年収500万円くらいのサラリーマンの場合、
所得税が10万円~13万円、
住民税が136,500円
所得税と住民税を足し合わせて合計、236,500円~266,500円くらい、
控除を受けられるということになります。
ということは、
先ほどの、住宅ローン3000万円を借り入れした場合をもう一度例に挙げると、
1年目 2900万円×1%=29万円
29万円、税金を返してもらえる権利があるうち、
所得税と住民税あわせて266,500円くらいが限度額
というようになるのです。
ローン残高の1%に相当する金額が必ずしももらえる訳ではないので注意が必要です。
そして三つ目のルール。
・夫婦など二人で住宅ローンを借りる場合は、二人ともその住宅ローン残高に応じて控除してもらえる
つまり、夫婦二人で住宅ローンを借りる場合は、住宅ローンの金額を二人で分けて、
夫婦せれぞれがその分けた金額に応じて、住宅ローン減税を受けられるということです。
例えば、3000万円の住宅ローンを、世帯主が2000万円、配偶者が1000万円、というように分割して借りることで、
世帯主は2000万円を基準に、配偶者は1000万円を基準に、それぞれ10年間に渡り、それぞれが住宅ローン減税を受けることができます。
二人で住宅ローン減税を受けることにより、世帯主ひとりでは控除しきれない部分まで控除することが可能になります。
これは多くの家族で活用したいところですね。
おうちの買い方相談室では、このような住宅ローン減税の活用で少しでもたくさんの控除を受けるにはどうやって住宅ローンを借りれば良いのかも含めてアドバイスしています。
気になる方はどうぞお気軽にご相談下さい。
おうちの買い方相談室名古屋西店 岩本貴久