「家は増税後に買ったほうお得」は本当?
「消費税増税前か、増税後か。家を買うならどっちがお得?」
という相談は非常に多いです。
この質問に対する回答は、過去に消費税が5%から8%に上昇したときもそうでしたが、
「人により異なる」です。
ただし、今回の消費増税はどちらかと言うと、増税後に家を買ったほうが得な人のほうが多いです。
増税後の支援策をしっかりと活用することで、おそらくほとんどの人が、“増税後の住宅購入のほうが有利”と判断することができるでしょう。
その主な支援策というのが、
- 住宅ローン減税
- 住まい給付金
- 次世代エコポイント制度
の3つです。
この3つの支援策を上手に活用することができれば、消費税増税後の住宅購入を有利に進めることができます。
それぞれポイントを抑えておきましょう。
まず、住宅ローン減税です。
この制度についての詳細は2019年9月9日のブログで具体例を挙げて解説しましたが、
増税後の修正点のメインは「控除期間を3年延長」です。
増税前の住宅ローン減税は10年間に渡り控除が受けられましたが、
増税後は3年延長になり、13年間控除が受けられることになりました。
もう一つ詳細を付け加えると、延長された3年間の控除方法は、
①建物購入価格の2%÷3
もしくは
②年末の住宅ローン残高の1%
のどちらか金額の少ない方となっています。
これを読み解くと、
「消費税が増税になったことによる2%増の負担を、条件を満たせば11年目から3年間で全額回収できる。条件というのは11年目から13年目の住宅ローン残高が①を下回ってないこと。」
となります。条件を満たせば、消費税増税分の負担増を
この「住宅ローン減税」という制度を通じて全額補てんできるということです。
(ただし期限があり、2020年12月31日までに建物の引き渡しを受けないといけませんのでご注意ください)
次に。住まい給付金です。
この制度についても2019年10月7日のブログで詳細を説明しましたが、おおよそ増税後のほうがたくさんの給付金を受け取ることができます。
受取額の目安
年収の目安 | 給付額(増税前) | 給付額(増税後) | 差額 |
400万円 | 30万円 | 50万円 | +20万円 |
500万円 | 10万円 | 40万円 | +30万円 |
600万円 | 0円 | 20万円 | +20万円 |
700万円 | 0円 | 10万円 | +10万円 |
このように、どの年収レンジの方も増税後のほうが有利な条件となっています。
ただし、年収(の目安)が775万円を超えると、増税後の税度でも給付金は受け取れませんのでご注意下さい。
ここまでの二つの制度をしっかりと活用することができれば、
住宅ローン減税で消費税増税分の負担額を全額回収し、
住まい給付金で増税前よりもたくさん給付金を受け取ることができるので、
この時点で増税後のほうがお得になると言えます。
そして更に。
三つめが次世代住宅ポイント制度です。
この制度は、購入する建物の性能が一定基準を満たすと、最大35万円分のお買い物クーポン券が受け取れるという制度です。
一定の基準とは、
省エネエコ住宅、耐震住宅、バリアフリー住宅、長期優良住宅、家事負担軽減住宅、などなどです。
これらのどれかを組み合わせて基準点をクリアすれば、最大35万ポイント獲得することができ、
35万円分のネットショッピングを楽しむことができます。
ただしこの制度にも期限があり、2020年3月までに請負契約を済ませておく必要がありますのでご注意下さい。
先の二つの支援策で既に増税後のほうがお得となった人は
更にこの三つ目の制度「住宅エコポイント制度」を活用することで、35万円分トクすることが可能となります。
以上のことから、総じて多くの人にとって消費税増税後の住宅計画のほうが有利ということが言えるでしょう。
ただし、それぞれの制度には条件や期限がありますのでそれぞれ注意が必要です。
おうちの買い方相談室 代表 岩本貴久